購入2021年7月16日。到着7月21日。62k円前後。
2021年2月5日に発表、2021年5月26日に発売されたモデル。
メーカーの謳い文句は「Etymotic初のマルチドライバ。最も純粋な低音で正確さのために科学的に設計されています」。
Unboxing
外見など
Etymotic初のマルチBAイヤホン。片側3BA。うち2BAは低音、残り1BAは中高音。
まずイヤピ選びで難航した。過去の1BAモデルと違って外耳道の奥までねじ込めず、その分大きめのイヤピを使わないとフィットや音質に影響する。付属イヤピだと三段キノコの大、2段キノコのL,Xが俺の耳にマッチした。市販イヤピだとSedna Crystalは装着感も良く適度にメリハリがついて好印象。リケーブル後はSedna Crystalだと派手過ぎたので Symbio Eartips Type W や Sedna XELASTEC に切り替えた。
手に持つとケーブルの細さと筐体の重量が目立つ。
- 細いケーブルは(耐久性は良いらしいが)絡ませると細さゆえにほどくのが手間。
- 筐体の重量は装着すると気にならないが、外してる間は細いケーブルのせいでぶらんぶらん揺れる。
まあ雑な扱いをするなという話だ。
遮音性はいつものEtymoticで優れている。ベント穴らしきものは見当たらない。密閉型だが、筐体容積が大きくなったせいか耳に押し付けて動かしても音が詰まったりはしない。装着感は俺の耳でも合格レベル。まあどちらもイヤピに依るところが大きい。
音質
まだバーンイン不足気味だけど、とりあえずメモする。
ER4シリーズと比べて:
- 高音はER4系に劣らない詳細がある。しかし落ち着いて目立たなくなった。メーカーのEtyDave曰く「EVOは、8kHzで多く、10kHzで少なく、より高い周波数で多くなります。それは間違いなく異なる反応です。一次ピークはほぼ同じです」。ハイハットの音が小さく落ち着いたけど質感はむしろ良いね。
- 中音域はステージが広がり、やや滑らかになった。かわりに悪い録音だとボーカルが埋れがち。ER4と違う方向で地味。
- 低音はXRよりも多く(とはいえDD型ほど膨らまない)、下の下までクッキリハッキリ出ている。超低音まで表現できるようになった。
…と、ER4シリーズとはそれほど似ていない。クッキリハッキリした低音とリラックスした中高音、という組み合わせは好みが分かれそう。
それでも Etymotic らしいなと思うのは、地味だが嫌味の少ない中高音、ソリッドな低音、基礎力が高く没入できるところ。
売り文句に嘘はなく、低音はサブベースまで出てて、なおかつ下の下までそれなりの硬さがある。色んな曲のベースラインが気持ちいい。良いわ。低音の硬さと量に拘りのある方は試聴してもよいかも。俺はそういうタイプなのでとりあえず売却はしないと思う。
一方で中高音は割とリラックスした、落ち着いた表現になったので一聴すると物足りないと感じる人も出るだろう。しかしながら、たとえば画像でも処理品質が上がると細い線を表現できてむしろ描写は滑らかになる訳で、この方向性は別に間違いではない。特に高音が物足りない人はイヤピで調整するのもありだろう。
ステージが広がったと書いたがそれは他のEtymotic機との比較であり、他メーカーと比較した場合は特に広いという訳ではない。
Head-Fiのスレッド ではメーカーのEtyDave自身が複数の測定環境でのグラフを出したりレビュアーの測定結果にコメントしたりしている。延々と測定について語ってるのツヨいな。
あとスレッドの誰かが書いてたが、DAPのゲイン(電圧)を上げた方が音が広がって良いらしい。
リケーブル
イヤホン付属品
EVOに付属するのは Estron Linum BaX T2 3.5mm。
Estron Linum G2 SuperBaX T2 Balanced 4.4mm
公式ショップでポチった。
しかし夏季休暇で発送は8/6以降らしい。秋葉eイヤにも在庫があったので買ってみた。
製品名 | インピーダンス(Ω) | 材質 |
---|---|---|
Linum G2 SuperBaX | 0.75 | Silver plated copper litz wires |
Linum G2 BaX | 1.5 | Silver plated copper litz wires |
聴いてみると音の分離が良くなり、地味な印象はある程度払拭された。囁き系のボーカルも質感が良くでている。ER4系とは違った良さがある。特筆するべきは上下の立体感と弱音の質感がかなり良いこと。
しかし付属のもコレも銀メッキなんだよな…そのうちPC triple Cあたりで自作したい。